基礎的研究:5-FU は、肝細胞癌細胞においてTGF-βの発現および分泌を誘導する。また、5-FU は、TGF-βの細胞死シグナルを抑制し、ERKを介して細胞浸潤シグナルを増強する。一方、IFNα-2bは、5-FUのこれらの作用を抑制することが明らかになった。 臨床的研究:IFN/5-FU 併用療法の治療効果を認めた進行肝癌患者では、TGF-βの血中濃度が治療後に著明に減少した。しかし、C型肝炎の背景を持つ患者については、症状改善例群と不応例群では、治療後TGF-βの血中濃度が治療前よりはすべて低下し、群間有意差は認められなかった。
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