研究課題/領域番号 |
15K09134
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
今野 哲雄 金沢大学, 医学系, 助教 (50377389)
|
研究分担者 |
林 研至 金沢大学, 大学病院, 助教 (00422642)
小田 彰史 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50433511)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ホスホリラーゼ / リン酸化 / 肥大型心筋症 |
研究実績の概要 |
申請者は肥大型心筋症患者でPRKAG2遺伝子変異を同定し、この変異をマウスに導入すると筋型グリコーゲンホスホリラーゼに特異的な異常スレオニンリン酸化が起こることを見いだした。本研究の目的は、肥大型心筋症における[1] 筋型グリコーゲンホスホリラーゼ異常スレオニンリン酸化の機能的意義を明らかにし、新規の心筋症・心不全発症機序を解明すること、[2] 異常スレオニン・リン酸化を阻害する化合物を同定し、心不全治療薬創薬の基礎を築くことである。リン酸化部位のスレオニンを負電荷を持つアスパラギン酸で置換することにより、スレオニン部位が恒常的にリン酸化された擬似状態を作成可能である。一方、スレオニンのアラニンへの置換は、脱リン酸化されたスレオニンの擬似状態(非リン酸化状態のスレオニン)となり、これらの手法はリン酸化研究において広く用いられている。そこで平成27年度には、ヒトcDNAライブラリーから、mGPの野生型、および今回同定したX番スレオニンの置換変異型(Thr X Asp;リン酸化変異、Thr X Ala;非リン酸化変異)のタグ融合mGPタンパク発現コンストラクト作成し、調整中である (pCMV-mGP-WT, pCMV-mGP-ThrXAsp, pCMV-mGP-ThrXAla)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外研究協力員(脇本博子助教、Jonathan G. Seidman教授, Christine E. Seidman教授)との連絡や連携が良好であったため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、作成したコンストラクトをトランスフェクトさせた培養細胞間で、細胞内グリコーゲン量を比較する。具体的には、細胞溶解液をアミログルコシダーゼ処理したのちに生じるグルコースを測定し、グリコーゲンを定量する予定である。また、ForwardおよびReverse反応によって、擬似スレオニンリン酸化によるmGPのグリコーゲン分解能の変化を定量的に測定する。実験系としては、トランスフェクションした培養細胞を溶解し調整後、20μgのタンパクサンプルを、G1,6BP, G6-PD ホスホグルコムターゼとグリコーゲンを含むバッファー内で反応させ、反応過程で生じるNADPHを吸光度計(340nm)で測定することでmGPのグリコーゲン分解能を定量評価する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
7,383円に相当する研究試薬購入の必要性がなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究用試薬を購入予定である。
|