研究課題
ヒト上皮増殖因子チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)は非小細胞肺がん(NSCLC)に対する優れた治療薬であるが、効果が不十分な症例も多い。抗PD-L1(またはPD-1)およびCTLA-4抗体による抗腫瘍免疫の活性化は、EGFR-TKIと併用することによって相乗効果を示す。しかしながら抗腫瘍免疫によるEGFR-TKI作用の補完については、解析が進んでいない。本課題では、EGFRシグナルが誘導する「免疫制御因子」の捕捉を目指す。マウス肺癌細胞を同一系統マウスに皮下移植し形成される腫瘍をFACS解析したところ、CD8陽性T細胞およびTregの浸潤が陰性であったため、本年度は抗原を抗原提示するMHC classIを効率的に上昇させる手段を講じることとした。細胞内にてCIITAファミリー分子を発現させた。CIITA遺伝子にタグを付加した後に発現ベクターに組み込んだところ、がん細胞におけるMHC classIの発現が上昇した。効果的な免疫応答を誘導する可能性が期待される。一方、in vivoEGFR発がん系モデルマウスの構築を行った。ドキシサイクリンにて変異EGFRを発現誘導したところ、多発性の肺腺癌が発生した。このモデルマウスは肺癌研究の有望な解析ツールとなるものと期待される。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件)
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