神経細胞の突起である軸索の周囲に絶縁体であるミエリン(髄鞘)が存在しており、電気信号による神経伝達が効率よく行われている。髄鞘が傷害されると神経伝導速度が遅くなり、多彩な神経症状が引き起こされる。これら脱髄疾患の病変を調べるためにはMRI(Magnetic Resonance Imaging)が有用とされているが、MRIの脱髄所見は非特異的で、鑑別疾患は多岐にわたる。陽性所見での描出が望ましいと考え、[11C]MeDASでの検討を試みたが、ヒトでの利用は難しいことが判明し、近年脱髄病変での集積低下が報告されている[11C]PiBにて、その集積とMRIでの白質の信号との関連について検討した。
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