細胞内ストレス応答に関わる脱ユビキチン化酵素USP10のノックアウト(KO)マウスを作製した。KOマウスは骨髄不全を伴う重度の貧血により生後1年以内にすべて死亡した。骨髄不全は造血幹細胞(Hematopoietic Stem Cell: HSC)のアポトーシスによる枯渇が原因であり、HSCのアポトーシスは胎生14.5日に始まっていた。胎仔肝臓由来のUSP10 KO HSCを野生型(WT)照射マウスに移植しても血球系細胞の再構築は認められず、逆にWT HSCをKOマウスに移植すると完全に再構築できた。したがってUSP10はHSCの維持に必須の脱ユビキチン化酵素であることが明らかとなった。
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