本研究では骨髄異形成症候群(MDS)の腫瘍細胞が骨髄微小環境から薬剤耐性を付与されることについて検討を行った。その結果、del(5q) MDS細胞は骨髄ストローマ細胞によってレナリドミドに対する耐性を付与されることを確認した。表面の接着分子の発現量には変化が認められず、薬剤耐性機序は明確になっていないが、本領域において一つの知見を提供できたものと考えられる。また、本研究では臨床検体からのストローマ細胞の分離の試みも準備を進め、実際の患者における腫瘍と骨髄微小環境の関連を検討する足がかりを形成できたと考えられる。
|