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2015 年度 実施状況報告書

骨代謝におけるスフィンゴシン1リン酸レセプター3(S1P3)の働き

研究課題

研究課題/領域番号 15K09533
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

河野 正孝  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60405256)

研究分担者 川人 豊  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50336731)
中田 博  京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90113141)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードスフィンゴシン1リン酸(S1P) / S1P3レセプター / 骨粗鬆症 / マウス卵巣摘出骨粗鬆症モデル
研究実績の概要

近年、骨代謝におけるS1Pシグナルが骨芽細胞、破骨細胞において重要な役割を果たしていることが報告されているが、これらは主にS1P1,S1P2レセプターを介した報告であり、現在のところS1P3シグナルの骨代謝に果たす役割についてはほとんど解明されていない。そこで我々は骨代謝におけるS1P-S1P3レセプターシグナルの働きを明らかにするために、まずマウス卵巣摘出骨粗鬆症モデルをS1P3 ノックアウト(KO)マウス及び野生型マウスに作成した。
C57BL/6マウスのF6世代S1P3+/-の雄及び雌を交配し生まれた生後8~10週の野生型及びKOマウスを実験に用いた。第1日に麻酔下に卵巣を摘出し、第30日に屠殺、大腿骨を摘出し骨密度を測定した。骨密度は野生型マウスがKOマウスに比べ有意に高かった(野生型:34.8±0.79, (n=8)vs KO:31.75±0.73(n=4), p=0.0065,マンホィットニーU検定)。本結果は施行総数がまだ少ない状況ではあるが、S1P3レセプター欠損が、骨密度低下を来たすことを示している。すなわちS1P3シグナルは骨形成の活性化や骨破壊の抑制を介して骨代謝に関与していることが推測された。
また摘出した大腿骨をホルマリン固定し、その後10%EDTA-2Naによる中性脱灰を行い、パラフィンスライドを作成した。H&E染色を行い、骨髄の比率、脂肪細胞数、皮質骨内のハバース管およびフォルクマン管等の形態的評価を行った。S1P3に対するポリクローナル抗体で免疫染色し、その発現分布の検討を行った。これらについては実験継続過程であり、現時点では明らかな結論には達していない。
また骨芽細胞におけるS1P3レセプターの発現と機能を検討するため、生後1週間以内のマウス頭蓋骨から骨芽細胞を分化させ、培養細胞の確立を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

野生型およびKOマウスに卵巣摘出骨粗鬆症モデルをそれぞれ8例、4例発症させたが、KOマウスの施行数がやや少ないため、再度同実験を施行する予定としている。またS1P3ノックアウトが卵巣摘出骨粗鬆症に影響するのか、健常時の骨代謝そのものに影響を与えるのかを検討するために、卵巣摘出をしないsham手術を施行する群を野生型、KOともに作成した。現在、骨密度を測定中である。

今後の研究の推進方策

卵巣摘出骨粗鬆症モデルについて今後、総施行数を増やすことにより、骨粗鬆症発生に対するS1P3レセプターの役割を明らかにしたい。また各組織での各種骨代謝関連因子(bFGF, LRP5, OPG, RANKL, Wnt1等)の発現を免疫組織化学で評価する予定である。
培養系では野生型およびKOマウスの頭蓋骨や長管骨からそれぞれ、骨芽細胞および破骨細胞の確立を行い、S1P刺激によって各種骨代謝関連因子の発現がどのように変化するかを検討する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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