新規にcARTを開始した31例を対象に、cART開始1年間の骨密度骨密度低下と関連のある因子の同定を行った。テノホビルおよびプロテアーゼ阻害薬使用症例で骨密度低下が有意であった。またCD4陽性Tリンパ球が低い症例ほど骨密度の低下が大きかった。CD4陽性Tリンパ球のレベルと関連を認めたことで、骨密度の低下には何らかの免疫学的な影響が関与していることが裏付けられた。しかしながら、LPS刺激に対する単核球のIL-1betaの産生量とCD4陽性Tリンパ球のレベルとの間に関連は認めなかった。cART開始1年間には骨密度が大きく低下するため、それを予防する方策を講じる必要があると考えられた。
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