研究課題/領域番号 |
15K09593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山口 清次 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (60144044)
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研究協力者 |
山田 健治
古居 みどり
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小児急性脳症 / β酸化障害 / 環境温度 / 感染毒素 / 解熱剤 / サイトカイン / タンデムマス / in vitro probe assay |
研究成果の概要 |
先天性β酸化異常症は、急性脳症、乳児突然死を起こすことが多い。小児急性脳症の原因は、感染、中毒、環境因子、あるいは代謝障害などがあるが、その機序としてβ酸化能の異常を介している可能性を検討した。 ①温度環境:高温下ではβ酸化系は抑制され(特に長鎖脂肪酸)低温下では異常が緩和された。②食中毒の一部の毒素によるβ酸化系全般の抑制が観察された。③薬剤(解熱剤):サリチル酸はβ酸化を抑制し、一方アセトアミノフェンでは影響はみられなかった。④サイトカイン:IL1とTNFαはβ酸化を抑制し、INFγとIL6は影響を示さなかった。小児の急性脳症の発生に、β酸化系機能を介した何らかの関与が明らかになった。
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自由記述の分野 |
小児科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児は、成人に比べ急性脳症を起こしやすい。急性脳症を起こす要因として考えられている感染、中毒、環境因子、代謝障害などが、β酸化系の障害を介して起こる可能性が示された。小児で急性脳症の起こりやすい要因としてβ酸化系の未発達、脆弱性も考えられる。今回検討した各種要因を今後さらに拡大してβ酸化抑制作用、保護作用の強さを検討する価値が十分にある。 急性脳症の予防、治療開発の方向性として、各病態におけるβ酸化系抑制を防止する対策、すなわち、高温にさらさないこと、解熱剤の選択に注意を払うこと、また特定のサイトカインの抑制薬の開発、β酸化系保護剤の開発などが期待される。
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