妊娠中期以降のヒトサイトメガロウイルス(HCMV)母子感染における胎盤では、HCMVの絨毛間質血管内皮細胞への感染が血管リモデリングに深刻な影響を及ぼし胎盤障害を来すと考えられている。しかし、血管リモデリングに深く関わる血管周囲細胞に対するHCMV感染の影響は全く検討されていない。本研究において、研究代表者らは、絨毛間質血管内皮細胞と血管周囲細胞がウイルスの主な感染細胞であり、さらに、HCMV感染した血管周囲細胞がDesmin異常発現を伴って間質細胞に形質転換することを明らかにした。この形質転換によるリモデリング異常が血管消失と間質線維化を同時に生ずる要因ではないかと考えられる。
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