新生児気管支肺異形成(Bronchopulmonary Dysplasia: BPD)の発症と重症化には、肺の未熟性、酸素毒性、容量圧損傷や炎症メディエーターによる生物学的損傷など多因子が関与する。本研究では多施設共同研究にて好中球ケモカインを中心にBPDの重症化因子を解析した。さらに解析結果を基に対象患者を層別化して、ケモカイン特異的なランダム化比較試験を展開する。重症化の評価は我々が開発した胸部CTスコアを利用する。また研究インフラは、「九大ハイリスク新生児臨床研究ネットワーク」が整備されている。多因子疾患であるBPDに対して、新生児個別の特性に応じた新たな治療戦略を目指した。
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