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2017 年度 実施状況報告書

豚タイプ2エンドリークモデルに対するNLEによる予防的瘤内塞栓術の基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K09969
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

中井 資貴  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30464671)

研究分担者 生駒 顕  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60458065)
上硲 敦文  和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (30750913)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードNBCA / エタノール / NLE / EVAR / エンドリーク / ステントグラフト / 予防的動脈瘤塞栓術
研究実績の概要

【背景】我々は、N-butyl 2-cyanoacrylate (NBCA)に無水ethanolとlipiodolを混和した液体(NBCA-lipiodol-ethanol混和液:NLE)を作製し、その基礎的検討を行ってきた。NLEは、重合速度の変化が起こることで、NBCAと異なる非接着性の新たな塞栓物質となり、血液や生理食塩水などの電解質液内に注入すると、小さな油粒状とはならず、大きな1つの塊やペースト状になることを明らかにした。また、このNLEを用いて、豚頸動脈に作製したwide neck動脈瘤に対してバルーンアシスト下での塞栓を行った結果、NLEとバルーンとの接着なく瘤内の良好な貯留・塞栓効果を示すことを明らかにした。今回、豚の腹部大動脈に動脈瘤を作製後、Type IIエンドリークモデルを作製し、NLEを用いた瘤内充填術を行い、その塞栓効果及び安全性を比較評価した。
【実験概要】全身麻酔下で、正常豚6頭の腹部大動脈に嚢状瘤を作成し、左腎動脈と腹部大動脈瘤を吻合後、腹部大動脈瘤部にステントグラフトを内挿し、Type IIエンドリークモデルを作製した。2頭はcontrol群として塞栓は施行せず、4頭に対して瘤内に留置したマイクロカテーテルよりNLEを注入し、動脈瘤内の塞栓を施行した。塞栓直後及び3日後に血管造影を施行し、塞栓状態を確認した。その後、豚をと殺し、動脈瘤を摘出し、摘出標本をホルマリン固定後、HE染色を行った。
【結果】腹部大動脈瘤内へのNLEの高密度の充填と完全な塞栓が得られ、NLE塞栓群ではすべてType IIエンドリークは消失した。摘出標本では、瘤内の血栓化、動脈瘤血管壁の炎症性変化が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物実験を行い、予定通り考察を行い、学会発表を行った。

今後の研究の推進方策

NLEの臨床応用を開始したので、その結果を発表していく予定である。
さらに、豚の頸動脈及び腸骨動脈に動脈瘤を作製し、各種濃度のNBCA-Lipiodol-Ethanol混和液(NLE)を用いて塞栓実験を行い、塞栓効果と組織障害を比較検討することにより、NLEの至適濃度を明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

2018年9月22-25日、ポルトガルで開催されるCIRSE 2018で発表予定です。また、フランスDijonのUniversity of BourgogneのRomaric Loffroy教授とNLEの共同研究を行うため、客員教授として2018年7月から約6カ月間、Dijonに赴く予定です。そのための渡欧費用が必要です。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] NLE(N-butyl-2-cyanoacrylate-Lipidol-Ethanol混和液)の基礎的検討と臨床応用2017

    • 著者名/発表者名
      中井資貴
    • 雑誌名

      Rad Fan

      巻: 15 ページ: 38-42

  • [学会発表] 腎動脈下中枢Neck部バルーン閉塞を併用したEVAR時NLE予防的動脈瘤内塞栓術2017

    • 著者名/発表者名
      中井資貴
    • 学会等名
      第46回日本IVR学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] NBCA・NLEの基礎的検討と臨床応用2017

    • 著者名/発表者名
      中井資貴
    • 学会等名
      第1回日本Liquid Embolic Material Treatment研究会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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