本研究では、ミエリン特異的PETプローブとして既に報告されている11C-MeDASが多発性硬化症等の脱髄疾患の診断に有用であるかについてモデル動物を用いた検討を進めてきた。実験的自己免疫性脳脊髄炎ラットを用いて11C-MeDASのPET実験および、脳切片を用いた結合性について検討を行ってきたが、脱髄病変における集積の変化は認められなかった。11C-MeDASが十分な特異性と定量性を示さなかった要因として、11C-MeDASが放射標識条件下において化学的に不安定であり、放射分解物が容易に生ずることが問題として考えられた。
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