研究課題
基盤研究(C)
胃癌治癒手術後も高頻度に発症する腹膜再発の形成機序を解明し、術後再発させない治療法開発を研究の目的とした。腹膜再発の原因となるviable癌細胞は、癌浸潤漿膜面やリンパ管内、血管内の他、胃切除後の残胃内腔にも存在した。これらの癌細胞はCD44を発現する癌幹細胞様細胞を含み、術中の腹腔内洗浄液中にがん細胞が培養検出された症例にのみ癌再発が発生した。術中散布癌細胞をターゲットとした術中腹腔内温熱化学療法(HIPEC)は、有意に術後再発を抑制した。胃癌手術が癌幹細胞を含む癌細胞を腹腔内へ散布させ、これら散布癌細胞が癌再発の源となっていた。この転移の源をHIPECにより有効に治療できることがわかった。
消化器外科学