系統的化学療法導入により原発性悪性骨軟部腫瘍(以後、肉腫)の予後は改善したが、進行例の予後は極めて不良である。本研究では、肉腫細胞および、肉腫周囲の腫瘍間質細胞の中で、特に骨髄間質細胞(Bone marrow stromal cells: BMSC)に焦点をあて、肉腫の新規治療法の開発をめざした。その結果、Ewing肉腫とBMSCの異種細胞間接着や骨転移に、Cad-11が重要な役割を果たしている事、滑膜肉腫の分子標的薬Pazopanib(PAZ)の耐性化にはErk情報伝達系が関与し、Erk阻害剤によりPAZ耐性が克服されることを確認した。
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