変形性関節症における軟骨変性を抑制する薬剤としてスタチン製剤に注目し、関節内で徐放させるDDSとして生体内で分解されるPLGAに封入する方法を開発した。臨床で使用されている複数の種類のスタチン製剤を用いて、軟骨細胞に対する作用を比較検討したところ、フルバスタチンが同化作用、異化抑制作用に優れていることを確認した。次にPLGAマイクロスフィアにフルバスタチンを封入した薬剤を作成し、PBSの徐放作用を確認したところ、14日間放出が持続することが示された。ウサギ前十字靱帯切離モデルの関節内に、術後1週で単回投与し、6週で組織学的評価を行ったところ、変形性関節症スコアの有意な低下が認められた。
|