【1】ヒドロキシエチルデンプン(HES)製剤が高分子ゲル構造におよぼす影響:アルブミンがグリコカリックスの成分であるヒアルロン酸の部分モル体積を減少させる一方、HES製剤はヒアルロン酸の固有粘度を減少させることが明らかとなった。この結果は、アルブミンがヒアルロン酸構造を安定化させるのに対し、HESがヒアルロン酸を“硬く”することを示唆している。 【2】血管収縮薬の持続投与が肝切除中の輸液量におよぼす影響:血管収縮薬の持続投与は、肝切除中の総輸液量に有意な差をもたらさなかった。これは、HESボーラス終了時の1回心拍出量変化量減少の違いがコントロール群にくらべてわずかであったためであると考えられる。
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