研究成果の概要 |
慢性痛の有病率は年齢と伴に高くなる。しかし, 加齢に関連する痛みの慢性化機序は不明で, エビデンスの高い治療法は存在しない。本研究課題では, 加齢に関連する痛みの慢性化機序における脳由来神経栄養因子(BDNF)の役割について検討し, 1) 高齢ラット神経障害性痛モデルを確立したこと, 2) 高齢ラットは若年ラットと比較して神経障害性痛の程度が増加すること, 3) 加齢による痛みの慢性化機序に海馬BDNF濃度の低下が関与すること, 4) 外因性BDNFの経鼻投与により加齢による痛覚過敏反応を抑制できること, を明らかとした。今後, BDNFを標的とした安全で有効な新規治療法の開発が期待される。
|