卵巣癌では、腹腔内播種、転移が重要な予後規定因子であり、hScrib やPar3 といった細胞極性蛋白質の機能低下は、EMT 化の一端を担っているとされる。本研究では、卵巣癌細胞におけるPar3 複合体の機能解析と新規EMT 阻害剤の開発に向けた研究を行った。Par3 と結合する分子であるaPKC は過剰発現が卵巣癌の予後と関連がある。卵巣癌50例の凍結検体を用いてマイクロアレイ解析をしたところ、Par3の高発現が予後不良と相関していた。(p=0.0033)Par3の発現欠失が癌の悪性化と正に相関するとされてきたが、卵巣癌においては既報と異なった結果となり、研究論文として報告を行った。
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