本研究課題内において以下のような成果を挙げた。 ①患者腹水検体より腹膜中皮腫細胞株を樹立することに成功した。②樹立細胞株を使った2次元および3次元培養下での薬剤感受性試験を実施した。悪性中皮腫標準治療に使用される薬剤ペメトレキセドは2次元培養下では薬剤感受性があったのに対し、3次元培養下では薬剤効果はなかった。結果は臨床経過と一致し生体内環境を模倣した薬剤感受性試験の実施が可能であった。③卵巣癌患者の腫瘍病変組織片より、スフェロイドを形成することを可能とし生体内構造に類似する腺管構造を作り出すことに成功した。卵巣癌腫瘍組織由来のスフェロイド形成に成功したのは本研究が初であり有用な成果となった。
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