加齢黄斑変性症の初期段階では,網膜色素上皮細胞下にアミロイドβを含む異常凝集蛋白質が沈着する.我々は加齢黄斑変性症患者の血清中に,右手型アミノ酸,あるいは蛋白糖化最終産物化した蛋白質に対する自己抗体の量が増えることを見出した.アミロイドβに含まれるアスパラギン酸を右手型にした合成ペプチドを作成し,異常凝集が促進され,オリゴマーあるいはポリマーに変換されることが速いことを見出した.さらに異常凝集蛋白質への親和性の高いチオフラビンTという光感受性物質を用いることで,凝集したアミロイドβを特異的に分解することが可能となった.このように加齢黄斑変性症に対する新しい光線力学療法の基礎を築くことができた.
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