本研究ではnuclear factor-kappa B(NF-kB)に注目し、眼炎症疾患におけるNF-kBを標的とした新たな治療法の開発を目的に新規低分子NF-kB 阻害剤DHMEQによる網膜色素上皮細胞株への抗炎症効果の検討を行ったところ、接着分子(ICAM-1)、IL-8やMCP-1などの発現がDHMEQを加えることにより有意に抑制された。実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)に対するDHMEQの眼局所投与の有効性を検討したところ、有意な抑制効果は観察されなかった。本結果からぶどう膜炎におけるDHMEQの有用性が示唆されたものの、その投与経路、投与量については今後さらなる検討を要する。
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