研究成果の概要 |
特発性黄斑上膜(ERM)の病態を生化学的な面から検討する目的で,セリンプロテアーゼの一つであるトリプターゼおよび抗2型コラーゲン抗体との関連について調べた。特発性黄斑円孔(MH),増殖糖尿病網膜症(PDR),ERM,裂孔原性網膜剥離(RD)の硝子体手術時に硝子体および血清を採取し,トリプターゼ活性および抗2型コラーゲン抗体を測定した。その結果トリプターゼ活性は,MHとERMが,抗2型コラーゲン抗体価は,ERMが有意に高値を呈した。ERMでは,硝子体中のトリプターゼ活性上昇が組織の線維化に,血清中の抗2型コラーゲン抗体上昇が網膜硝子体界面の免役反応に関与して膜形成が生じている可能性が示唆された。
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