敗血症性脳症は敗血症によって生じる2次的なびまん性脳障害であるが,その病態や発症の機序について詳細は不明であり,特異的な治療法も確立されていない。本研究では,ラットの敗血症モデルを作成し,麻酔薬によって敗血症ならびに敗血症性脳症の病態が改善するかを評価することを目的するものである。本研究の結果,ラット敗血症モデルにおいて,吸入麻酔薬セビフルランは静脈麻酔薬ペントバルビタールと比較して,血中サイトカイン濃度を抑制する可能性が示唆された。その機序等については今後さらなる検討が必要であるが,本研究によって麻酔薬による敗血症性脳症の治療応用へと展開していけば社会的にも大いに有意義であると考えられた。
|