顎変形症は成長発育異常や外傷等で骨格性に生じた不正咬合が生じている疾患で、咀嚼、構音、呼吸といった、人が生きていく上で欠かせない重要な機能が障害されている。顎変形症の治療には現在の医療においては手術が必要であり、その偶発症として気道閉塞は最も問題の大きい合併症であるが、その発症リスクは十分に明らかにされていなかった。本研究においては、周術期の睡眠呼吸状態を簡易型睡眠評価装置でモニタリングし、全身麻酔に伴うREMリバウンドが顎矯正手術で認められ、手術直後ではなく術後3、4日目に気道閉塞のリスクが高いこと、オトガイが上方に移動する移動方向ではリスクが低くなることが明らかになった。
|