研究課題
基盤研究(C)
本研究では、麻酔薬が癌組織微小環境に与える影響を①口腔扁平上皮癌(OSCC)、間質細胞およびマウス脾細胞の生存率、②脾細胞の抗CD3抗体刺激に対するサイトカイン産生能、③間質細胞(10T1/2)の免疫抑制能に対する効果から検討した。脾細胞はその他の細胞株に比較して最も低濃度の麻酔薬で生存率が低下し、特に静脈麻酔薬に高い感受性を示した。その免疫応答能は、細胞毒性が現れる濃度よりさらに低濃度域でも抑制された。またミダゾラムは、10T1/2の免疫抑制作用も阻害する点で他の麻酔薬とは異なっていた。一方担癌マウスを用いた動物実験では、静脈麻酔薬が腫瘍の進展に対して抑制的に作用する可能性が示唆された。
口腔生化学