研究課題/領域番号 |
15K11356
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
中村 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10097321)
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研究分担者 |
野田 晃司 鶴見大学, 歯学部, 臨床教授 (10148059)
新井 千博 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10460221)
和田 悟史 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20581119)
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (30333826)
石川 美佐緒 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90582445)
高野 吉郎 鶴見大学, 歯学部, 臨床教授 (90126425)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 歯根膜 / エピジェネティクス / G9a / 歯肉 / Glp |
研究実績の概要 |
本研究ではH3K9のメチル化に関与するといわれている酵素、G9a, Glp, Suv39h1, Suv39h2, Prdm2, Setdb1についてその遺伝子発現をreal-time PCR(RT-PCR)にて検討した。まず最初に、ラット第一臼歯の歯周組織を含む凍結連続切片をスーパーハードナイフを使用して作製し、その凍結切片からレーザーキャプチャーマイクロダイゼクション法を用いて歯根膜と歯肉の結合組織の採取した。そして、それらの資料を用いてG9a, Glp, Suv39h1, Suv39h2, Prdm2, Setdb1の遺伝子をRT-PCR結果、GlpとG9aに発現を認めた。両者の発現の強度はGlpの方がG9aよりも強発現しているものと考えられた。一方、その他の酵素の遺伝子発現については認められなかった。 次にGlpとG9aについて、その歯周組織内での発現局在について、免疫組織学的に検討した。すなわち、上述した凍結切片を用いて、歯根膜と歯肉結合組織におけるGlpとG9aの局在を調べた。その結果、昨年のH3K9のメチル化の発現と同様に、GlpとG9aともに骨芽細胞と血管内皮細胞にその強い発現が認められた。そこでGlpとG9aの免疫染色の定量化を試みたところ、Glpでは歯肉よりも歯根膜で有意に強い染色性が認められた。G9aも歯根膜で歯肉よりも強い染色傾向を示した。 以上から、歯根膜でのH3K9のメチル化にはGlpとG9aが関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を遂行するには歯と歯槽骨という硬組織の間に存在する歯根膜をintactのままで採取し、遺伝子発現等の試料にする必要がある。この歯根膜の採取に不可欠な機器(レーザーキャプチャーマイクロダイゼクション装置)が故障してしまった。そこで現在、他施設(横浜市大医学部)の協力を得て研究を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に引き続き、平成29年度も横浜市大医学部の協力を得て、レーザーキャプチャーマイクロダイゼクション装置を借用できることになり研究を進めている。 これからの研究としては、歯を移動した際の歯根膜におけるG9a, Glp, Suv39h1, Suv39h2, Prdm2, Setdb1についてその遺伝子発現とその局在を検討していく。特にGlpとG9aの発現とその局在部位のついて検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況は回復傾向にある。研究の遂行にはレーザーキャプチャーマイクロダイゼクションという機器が必須であるが、それが故障してしまい、研究が少し遅れてしまったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
レーザーキャプチャーマイクロダイゼクションという機器を他施設で借用することが可能となり、着実に研究を進めていく予定である。
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