研究課題/領域番号 |
15K11359
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 幹 東北大学, 大学病院, 講師 (40380852)
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研究分担者 |
中村 卓史 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90585324)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 染色体異常 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 硬組織 |
研究実績の概要 |
本年度は、本題である13番染色体異常における硬組織形成への影響を検討するために、まず最初に、ヒト13染色体上に位置するSox21の遺伝子欠損マウスにおける、骨形成不全の表現系について精査することにした。そこで、生後1日目のSox21遺伝子欠損ホモマウスおよび野生型の頭蓋冠から骨芽細胞を分離し、骨代謝マーカーである、オステオカルシン、オステオポンチン、アルカリフォスファターゼの発現量をRT-PCR法にて確認を行った。その結果、Sox21遺伝子欠損ホモマウスでは、野生型と比べて骨量が減少しているにもかかわらず、オステオカルシン、オステオポンチン、アルカリフォスファターゼのmRNAの発現量の低下は認められなかった。 そのため、骨芽細胞に対する影響では無く、破骨細胞に対する影響を検討することにした。まず、Sox21遺伝子欠損ホモマウスおよび野生型の脾臓より細胞を分離し、RANKL, M-CSFの存在下にて培養することにより破骨細胞へ分化を誘導し、TRAP染色にて破骨細胞分化能を検討した。その結果、野生型と遺伝子欠損マウスとの間に顕著な差は認められなかった。この結果より、Sox21は破骨細胞分化に直接的に影響を与えていない可能性が示唆された。 本年度研究の課題として、骨芽細胞では骨代謝マーカーのmRNA発現検討しか行っていないため、骨代謝マーカーのタンパクレベルでの発現や、石灰化を含めた最終的な骨形成まで検討を行う予定である。有意差が見られない場合は、破骨細胞、または骨芽細胞に対する間接的影響を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子組み換えマウスの交配が進んでおらず、妊娠の間隔も長く、一回あたりの産仔数も少ない。そのため、ホモマウスの入手が遅れてしまい、全体の計画に影響が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
マウス交配の安定化のため、高栄養の飼料を用いることにする。 マウスからの細胞入手が困難であれば、細胞株を用いた実験を並行して行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子を欠損させたホモマウスの作成に時間がかかり、当初予定していた実験が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後は、マウス生育環境改善に費用を回し、更に当初予定していた研究へ戻し、マイクロアレイや、血液検査も含めた総括的スクリーニングを行い、速やかに機能を絞り込むための費用へと使用する予定である。
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