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2016 年度 実施状況報告書

13番染色体異常による硬組織への影響

研究課題

研究課題/領域番号 15K11359
研究機関東北大学

研究代表者

齋藤 幹  東北大学, 大学病院, 講師 (40380852)

研究分担者 中村 卓史  東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90585324)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード骨代謝
研究実績の概要

昨年度は、Sox21遺伝子欠損における破骨細胞の影響を検討した。しかし、Sox21は破骨細胞分化に直接影響を与えていなかった。そこで本年度はまず最初に、マウスの表現型について検討した。Sox21欠損マウスは、生後0日目では野生型と比べて体重変化が見られないが、成長するに伴い体重差が広がり、成体では雌雄差は無く、約30%ほど体重が軽量であることから、成長不全による可能性が示唆された。そこで、Sox欠損マウスの血液検査を行った。一般生化学分析では、TP(総タンパク)、Ca、IP(無機リン)、ALP(アルカリフォスファターゼ)等の骨代謝に関する項目に大きな変化は見られなかった。しかし、Sox21欠損マウスではLDLコレステロールが高値となった。LDLコレステロールは成長ホルモン、性ホルモン等により抑制されるため、LDLコレステロール高値はこれらホルモンの分泌不足が考えられた。また、Sox21は脳で発現していることが知られているため、Sox21遺伝子欠損マウスでは脳の機能低下が示唆され、ホルモン分泌異常を引き起こしている可能性が考えられた。これらのことから、骨形成不全はホルモンの分泌異常による影響と推測し、6週目の雄マウスを用いてホルモン分泌の検討を行った。しかし、成長ホルモン、性ホルモンの異常は認められなかった。
Sox21が破骨細胞に直接影響を与えなかったため、本年度は全身的影響を考慮して血液検査、ホルモン検査を行ったが、顕著な差異は認められなかった。このことから、Sox21欠損マウスの骨形成異常は、血液、ホルモンからくる全身的影響である可能性が低いと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

高栄養の飼料を使用するようになり、遺伝子組み換えマウスの交配は以前より改善した。しかし、ホモマウスは体格も小さく、骨・歯も脆く、長期維持することが困難である。

今後の研究の推進方策

現時点で、Sox21による骨代謝に対する影響は明らかとなっていないが、その候補は徐々に絞られている。今後は、骨芽細胞及び、骨芽細胞と破骨細胞の相互関係を探っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

ホモマウスの個体数が少なく、実験の進行が遅れている。さらに突破口となるような結果も得られていないため、その先にある詳細なメカニズム解析を行えていないため。

次年度使用額の使用計画

マウス作製を最優先し、受託を利用した包括的スクリーニングを多角的に行い、ブレイクスルーを計る。スクリーニングから得られた結果はsiRNAや発現ベクターを購入し、細胞株を用いて確認を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] Nephronectin plays critical roles in Sox2 expression and proliferation in dental epithelial stem cells via EGF-like repeat domains2017

    • 著者名/発表者名
      Arai C, Yoshizaki K, Miyazaki K, Saito K, Yamada A, Xue H, Funada K, Fukumoto E, Haruyama N, Iwamoto T, Takahashi I, Fukumoto S.
    • 雑誌名

      Scientific reports

      巻: 7 ページ: 45181

    • DOI

      10.1038/srep45181

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Globoside accelerates the differentiation of dental epithelial cells into ameloblasts2016

    • 著者名/発表者名
      Nakamura T, Chiba Y, Naruse M, Saito K, Harada H, Fukumoto S
    • 雑誌名

      International Journal of Oral Science

      巻: 8 ページ: 205-212

    • DOI

      10.1038/ijos.2016.35

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会・シンポジウム開催] 第16回 Tooth Morphogenesis and Differentiation2016

    • 発表場所
      Haikkoontie 114, 06400 Porvoo, Finland
    • 年月日
      2016-06-12 – 2016-06-19

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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