過去に本邦ではプラセンタは慢性歯周病治療に適応症があり、その臨床研究での有効性の報告は多数あるが、プラセンタの基礎医学的解明の報告はない。本研究ではプラセンタによる歯周病治療薬の可能性を探求することが目的である。第1の実験系ではヒト歯肉線維芽細胞を用いた歯周病培養モデルにおいてプラセンタが細胞増殖能、コラーゲン産生能、炎症性サイトカイン抑制能を確認できた。第2の実験系ではプラセンタの骨再生能の可能性を探求するために、骨芽細胞への影響を検討し、細胞増殖能、コラーゲン産生能、ALP分泌能を確認できた。以上の結果はプラセンタが歯周病に対する抗炎症作用と歯周組織再生能の可能性がある事を示唆した。
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