ヒトエナメル質試料を用いて歯の酸蝕症をより口腔内環境に近づけた条件で、歯の酸蝕症の具体的で効果的な予防方法を検討した.歯の酸蝕症は微小表面硬さと表面粗さで評価した。その結果、1)飲料の温度,2)飲料の酸の種類, 3)カルシウムやリンの含有,4)フッ化物の存在,5)脱灰‐再石灰化処理時間やサイクルの条件が歯の酸蝕症に影響した.また,歯の酸蝕症は口腔内のpHに最も影響を受け,次いでフッ化物の有無が影響されていた.さらに,プラークのようにpHが低い条件であってもフッ化物があることで,歯の酸蝕症を抑制できることが示唆された.
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