本研究の目的は,選好の変化を測定することが保健指導の効果指標として適用可能かどうかを検討することである。保健指導の効果指標として選好の変化に着目した結果,健康教育や保健指導によって選好が変化することが明らかとなった。しかし,受けた指導内容のインパクトが選好に大きく影響するため,指導内容が弱い場合は選好の変化は短期間なものに留まってしまうという限界も明らかとなった。また,選好の変化が大きい群では保健指導に対する支払い意思額も有意に高いことが示され,保健指導を受けたことで選好の変化が個人の価値観の変化をもたらす可能性が示唆された。
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