第1研究では,生体信号のリズムとゆらぎが対人恐怖心性といった心理と対応するということが明らかになった。例えば,悔しかった話をしているとき,リズムのゆらぎが高い人ほど,対人恐怖心性尺度得点は低かった。ここで,生体信号のゆらぎは誤差ではなく,その状況に適応して,自らが作り出す応答力だととらえることができる。 第2研究では,会話をしているとき,相互理解できた二者の生体信号は,相互理解まで至らなかった二者の生体信号に比べて交差相関が有意に高く,同期していると考えられたが,さらに,その二者の生体リズムは位相差を基にした正弦関数モデルとして表現されうることが明らかになった。
|