サーミスタは,温度測定に幅広く使用されているが,感圧センサとして機能させた例はない.本研究の成果は,サーミスタ本来の抵抗変化に加えて,静電容量変化との組み合わせによる,触圧(変位)と温度を同時取得する新しい測定原理および信号処理アルゴリズムを提案している.これにより,皮膚のポリモーダル受容器のような複数の皮膚刺激に応答する単一触覚デバイスの具現化の一手法が示され,今後の埋め込み型人工皮膚感覚センサの開発に展開できる可能性がある.更に触覚分野のみならず,多機能な複合・融合センシング素子の研究開発にも新たな視点を与えることにもなり得る.
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