今後の研究の推進方策 |
今後はさらに超高感度分光法キャビティーリングダウン分光法(CRDS)を組み合わせてOH(g)とNaI(aq)の不均一反応を利用したSIEs研究を行う。OHラジカルはその反応性の高さからハロゲン化物イオンX- (X- = I-, Br-, Cl-)と拡散律速で反応する。気液界面におけるX-信号の減衰とX3-信号の生成を新規質量分析法で、また気相に放出されるX2分子をCRDSで同時に測定する。気液界面の最上部に存在するI-はすぐさまOHラジカルと反応し、その濃度が減少する。一方、Cl-はバルク中に多く存在するため、OHラジカルはそのような深い層にはほとんどたどり着かないためCl-は減少しないはずである。これは以下の競争反応が起こるためであるOH(interface, if) + X-(aq) → → X2 vs. 2 OH(if) → H2O2 この競争反応のキネティクスとOHの拡散係数から何nmの深さまでOHが到達し、その層でX-と反応するかを決定する予定である。
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