本研究は、酸化鉄を非化石燃料である木炭により還元して酸素と反応しやすい活性な金属鉄を得て、その活性金属鉄を輸送・貯蔵後、水と反応させて酸化して水素を得る技術に関するものである。実験により、酸化鉄試薬や酸化鉄を主成分とする鉄鉱石と木炭を粉砕・混合したものを加熱し金属鉄が得られることを確認した。また、その金属鉄と水蒸気とを反応させることにより酸化鉄が水素を発生しながら再酸化されることを明らかにした。その結果、当初の狙いである化石燃料を用いることなく水素を得る技術の可能性が確認された。今後は、各種条件の最適化を目指した検討を行い、工業プロセスへの展開に繋げてゆく予定である。
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