研究課題/領域番号 |
15K12272
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水野谷 剛 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10500770)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | モデリング / データ収集 / データ分析 / 入力データ推計 / 技術情報調査 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
各州の社会経済モデル及び環境負荷物質動態モデルの構築については、茨城県霞ヶ浦流域について、これまで収集していたデータと新たに収集したデータを元に“平成の大合併”以前の旧市町村レベルでの産業資本ストック、土地利用、家庭排水施設別人口等の各種入力 データの推計を行った。これに加え、これまでに構築 していた最小自治体単位が旧市町村レベルである社会経済、環境汚染物質動態モデルを 合併後の市町村レベルでも分析が可能になるよう改良を行った。これにより、現在の 市町村や県が行う政策の効果が旧市町村レベルでも測定出来るようになった。更に、このモデルを使用して2012-2020年を対象期間としたシミュレーション分析を行い、2020年において2012年比20%の水質汚濁負荷削減が可能である等の結果を得、国内外の学会で発表を行った。 現在これらの結果をまとめた研究論文を執筆中である。利根川 、東京湾の流域である東京都、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県に関しては、収集したデータや既存研究を参考に、社会経済構造の分析、 環境負荷物質の発生、拡散、帰着メカニズムの分析と特定化を行い、特に東京都及び群馬県に関してはプロトタイプのモデルを構築した。 再生可能エネルギー及び環境修復新技術の分析とパラメータ化に関しては、乾式・湿式メタン発酵技術、太陽光発電、水力発電、バイオディーゼル燃料、木質バイオマス、RPFに関する技術情報の収集と分析を行った。畜産業が盛んな北関東州で特に利用が見込まれるメタン発酵技術に関しては、特に技術開発者にインタビューを行い、物質の挙動やコストを中心に技術情報の収集を行った。 エネルギー収支メカニズムの把握とモデル化については、各都県の地域産業連関表を収集し、その収支構造のメカニズムを分析すると共に、電力・ガス・熱供給部門のエネルギー部門の生産物市場 のフロー条件式を構築し、これを元にモデル化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
構築すべき6都県のサブモデルのうち、プロトタイプを含め、3つの社会経済モデル及び環境負荷物質動態モデルを構築することが出来た。社会経済活動に関する基礎データ及び環境動態、技術情報に関するデータの収集、分析も順調に進んでおり、全体的に概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
残る3県の社会経済モデル及び環境負荷物質動態モデルの構築とプロトタイプモデルの精緻化を図った上で、それぞれプログラミングを行い、挙動を確認する。加えてシミュレーションにより、都県ごとの各種環境政策実施の効果分析を行う。次に、各県のサブモデルにエネルギー収支式の導入と、再生可能エネルギー及び環境修復新技術データ入力を行い、6都県のサブモデルを完成させる。 構築した各サブモデルを リンクさせ、北関東州及び南関東州それぞれについて統一モデルを構築し、プログラミングと挙動確認及び、各州政府による各種環境政策実施の効果分析を行う。最終的に南北両州のモデルをリンクすることにより統一モデルを完成させ、道州制導入後の各州内の流域間相互依存関係及び州間相互依存関係の解析と温室効果ガスを含む大気汚染物質と水域への汚濁物質負荷の同時削減に達成する 最適流域管理政策の提言を行う。
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