新生児の免疫機能発達に対する母乳中の免疫情報伝達物質の役割を解明するために、マウス、ヒトおよびウシの母乳中のCCL28、TSLP、IL-7の含有量を継時的に調べた。その結果、いずれの動物種でも、3種の免疫タンパク質が泌乳時期に関係なく含有されていた。また、CCL28とTSLPの経時的な母乳中含有量に強い相関があることが判明した。 他方、母乳中CCL28の新生児免疫機能に対する役割を調べるために、人工哺育法及びCCL28ノックアウトマウスを用いて、その免疫学的機能を解析した結果、CCL28は新生児期の胸腺および脾臓の免疫細胞の増殖や分化、あるいは集積に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
|