研究課題/領域番号 |
15K12419
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平井 一臣 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (00199027)
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研究分担者 |
伊藤 奈賀子 鹿児島大学, 教育センター, 准教授 (10387459)
大前 慶和 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (40315388)
清原 貞夫 鹿児島大学, その他部局等, 理事 (50117496)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アクティブ・ラーニング |
研究実績の概要 |
前年度の研究・議論を具現化した文理融合型アクティブ・ラーニング授業を2件立案し、実際に授業を展開した。以下、それぞれの授業ごとに成果をまとめる。 第1は、キャンパス内外をフィールドとした授業「鹿児島大学に学ぶ」で、共通教育科目とした。鹿児島大学という対象を多面的に理解できるよう、受講生を3グループ(歴史、コミュニティ、動植物)に分け、グループ単位での調べ学習、ディスカッション、フィールドワークを行った。また、各グループの視点や理解を共有するため、3グループ共同のプレゼンテーションの機会を設けた。「鹿児島大学に学ぶ」は、アクティブ・ラーニング入門と位置づけ、次年度は共通教育科目として再び「鹿児島大学に学ぶ」を提供するが、グループ共通の目的を設定するようにしたい。 第2は、鹿児島県内の自治体あるいは集落をフィールドとした授業「鹿児島の地域に学ぶ」で、共通教育科目とした。地域活性化を共通テーマとし、出水市グループと南大隅町グループとを設定した。宿泊を伴ったフィールドワークを実施し、活性化策の提言を行った。2グループ合同のプレゼンテーションの機会も用意した。 より現実的かつ喫緊の課題を取り扱った「鹿児島の地域に学ぶ」は、学外協力者の存在もあり、受講生にとっては責任ある行動が求められることとなった。履修登録した受講生は、そもそもアクティブ・ラーニングを強く志向する学生達のみとなった。結果としてディープ・アクティブ・ラーニングを進めることができたが、あらゆる学生に受け入れられる授業内容とは言えないと評価している。教育の多様性確保という視点からは、様々なレベルのアクティブ・ラーニング型授業の組み合わせが可能となる環境が必要であることから、「鹿児島の地域に学ぶ」の対象学生の狭さは許容されると考えている。次年度は、ディープ・アクティブ・ラーニングを進めるために、専門教育科目へと変更する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会を通してアクティブ・ラーニングに関する専門的な知見や論点を共有したうえで、計画通り具体的な授業科目を設計し開設することにより、理論と実践との架橋を行った。身近なものから学習の素材を発見する「鹿児島大学に学ぶ」、学外者の協力も得て実施した「鹿児島の地域に学ぶ」の二つの授業科目は、いずれも本研究の代表者と分担者が相互に協力して行い、履修した学生への感想シート等により、次年度以降の課題も明確にすることができた。 また、それぞれの授業科目での実践を踏まえて、学会報告を2件行った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる29年度においては、28年度に実施した「鹿児島大学に学ぶ」「鹿児島の地域に学ぶ」の二つの授業科目をブラッシュアップしたかたちで再度開講し、個別学問分野の壁を越え、身の回りや地域の資源を活用した教育プログラムの組み立て方、授業実践の方法の両面について、実践を通して問題点を整理する。また、実践を通して得られた知見を、高等教育の専門家を交えての研究会を行うことにより、アクティブ・ラーニングに関する新たな方法と展望について総括を行う・
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