本研究では、ワクチン開発における、抗原送達法の欠如の克服に焦点を絞り、これまでにナノキャリアとしての可能性を見出してきた非晶質ナノシリカをリード素材として、粒子径などの物性-動態-有効性・安全性の連関情報の新規集積を図り、有効性・安全性に優れたナノキャリアの開発を試みてきた。その結果、各種シリカを抗原と経鼻曝露することで、全身面において、粒子径50 nmをピークとした、抗原特異的な免疫応答を誘導し得ることが示された。本研究成果に基づき、低侵襲的に鼻粘膜バリアをすり抜け、粘膜免疫担当細胞・組織に効率良く抗原送達可能な粘膜ワクチン用のナノキャリアを開発し得る基盤情報を提供し得るものと期待される。
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