研究課題
本研究は,血管内治療における事故の前兆現象をとらえることを最終目標として,その手段としてワイヤー状デバイス(ガイドワイヤーやカテーテル)の形状特徴量に注目した.全体で,3年間の研究計画であった.初年度は,数値解析によって血管形状モデルやガイドワイヤーをモデル化することを目標にし,またデバイスの形状特徴量を表現するフーリエ記述子を求めることが出来るプログラムを開発することが目標であった.これによりガイドワイヤーの元の形状と,実際の挿入時のガイドワイヤーの形状の類似度(フーリエ記述子から求められる)と,ガイドワイヤー先端の接触力のグラフが,もっとも類似していることが分かった.つまり,ガイドワイヤーの元の形状と,実際の挿入時のガイドワイヤーの形状の類似度を,X線画像などを通じてモニターすれば,血管内でのガイドワイヤーの先端接触力を予想できることが分かった.次年度には,それを実験において,再現することを目標として,実験装置および測定装置を作製した.数値計算と比較してデバイス先端の軌跡について,約0.10 mm前後の誤差であることを明らかにすることができた.これにより初年度に行った数値計算の実現象の再現精度について定量的に評価できた.また初年度で明らかにした知見が,実現象でも起こりうることが分かった.最終年度では,これらの知見を総合的に活用することを目指して,臨床で利用されるX線画像を通じて,事故予測のために必要なデバイスの3次元位置を推定するための技術を確立するための基礎的研究を行った.この成果について特許出願を行った.
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Journal of Neuroendvascular Therapy
巻: 11(7) ページ: 333-340
10.5797/jnet.oa.2016-0094
Journal of Biomechanical Science and Engineering
巻: 12(4) ページ: No.17-00181
10.1299/jbse.17-00181