「体育」の概念について、1870-80年代には身体教育だけ現れるが、90年代には身体教育の現れる割合は減少し、1900年代以降には極少数となる。1890年代からは身体養護が、1900年代からは運動教育が少数現れる。 教育を知・徳・体の三つに区分するペスタロッチ主義に代り、教育目的を精神面の育成に限定し、身体教育の概念を否定するヘルバルト主義が紹介されたため、「体育」の項目のない教育学書が日本で一般化する。このヘルバルト主義が教育学の基礎と見なされて存続していくため、身体問題は、主に医学関係者や体操・体育科教員という専門家の役割となる。
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