二足歩行・直立姿勢維持に重要な役割を果たす脚筋および体幹筋の筋線維特性を調査した。霊長類6種類を含む哺乳動物24種の腓腹筋,外側広筋,殿筋,最長筋,広背筋および上腕三頭筋から連続凍結切片を作成し,各ミオシン重鎖抗体染色を施し筋線維組成を算出した。 大型動物ほどタイプI線維の本数比と面積が大きくなる傾向が認められた。全体の回帰直線と比較して,外側広筋および殿筋では多くの霊長目のタイプI本数比が高い傾向を示した。その他の筋では,体重に相応したタイプI比率を示し,特に霊長目の特徴は見られなかった。一方,頻繁に直立姿勢をとる動物においては,最長筋で高いタイプI線維を有する傾向が見られた。
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