会話とは,個人の持つ情報を音声情報を介して他者とやり取りすることで,複数個人間で情報を共有する作業である.本研究は,二者もしくは三者が会話している最中の脳活動を複数台のMRI装置により同時記録することで,会話の神経基盤を明らかにすることを試みた.その結果,自分が会話を主導する際と他者が主導する会話に追随する場合とでは,社会脳として知られる領域の脳活動パタンが違うこと,および特定の相手と会話を繰り返していく際に,それら領域の活動が学習に伴い上昇していくことが明らかとなった.このことは会話は一般的な共同作業と同様に学習が可能なスキルであり,その習熟には社会脳領域が関連していることを示唆する.
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