今まで感性として扱われてきた絵画用語であるヴァルール(鑑賞環境を含めた相対的な見えの強さ)の定量化を試みた。まずはビットマップ化した画像データの位置や色差による定量化アルゴリズムの基礎を考案し、作品発表等を通してその妥当性の検証を行った。また鑑賞環境によるバイアスを補正する必要があるため、環境要素の一つとして照明が絵画の見えにどのような影響を及ぼすのか、実験によって関係性の一端を明らかにした。画面の質感性(素材感)が比較的見えにくい低い照度環境においてはバイアスがかかりづらく、明るい環境においては画面の素材によって大きくバイアスを受ける可能性があることがわかった。
|