「美的概念」、とりわけ「日本的美的概念」が、どのような要因で「日本的」とされたのか、そしてそうなる法則性の有無と、法則について検討を行なった。研究の結果、「わび」「さび」「幽玄」は、日露戦争後、象徴主義が移入される過程において称揚され、中世美に注目が集まった結果、「日本的美的概念」として認識され、定着したものであった。「いき」も同様に象徴主義高揚の機運の中、日露戦争後、再評価された概念であったが、これは「江戸趣味」が称揚される中で「日本的」とされたものであった。「かわいい」は現在における「日本的美的概念」とされているが、ここにも同様の背景があった。このような共通性と法則性を見出すことができた。
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