研究課題/領域番号 |
15K12930
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
熊倉 和歌子 早稲田大学, イスラーム地域研究機構, 研究助手 (80613570)
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研究分担者 |
亀谷 学 弘前大学, 人文社会科学部, 講師 (00586159)
高橋 亮介 川村学園女子大学, 文学部, 講師 (10708647)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 環境史 / エジプト / 農業 / 灌漑 / 社会経済史 / ギリシア・ローマ史 / イスラーム初期史 / エジプト中世史 |
研究実績の概要 |
今年度は2度の研究会を開催(7月8日・12月2日)し、各自が担当する研究の進捗状況の報告をおこなった。ここでの報告内容を踏まえて、研究代表者は、10月10日にボン大学(ドイツ)で開催された国際ワークショップに参加して、本研究の成果を発表した。また、11月5日に東洋文庫(日本)で開催された日独ワークショップにおいて、中世史家の立場から環境史の課題と可能性についての報告を行った。 最後に、2年間の総まとめとして、研究代表者および分担者の3名がそれぞれの担当における研究成果をまとめた論文を執筆し、それらをまとめて「特集:環境・農業・記録管理-文書資料に基づくエジプト環境史の構築」とした。 本研究は、前4世紀に始まるギリシア・ローマ期から17世紀オスマン朝期までを対象とし、環境変動と農業生産の相互作用を探り、そこに現れる変化が支配や、国家による記録管理のあり方にどのような影響を与えたかについて考察、環境史と社会史の間に関係を築くための基礎を作ることを目指して開始された。2年間のうち6度開催された研究会では、環境史をめぐる各時代の動向や課題が共有され、社会経済史に環境という要因をどのように組み込んでいくかについて踏み込んだ議論がなされた。その成果として、上にあげた特集論文をまとめられたことの意義は大きい。また、国際的な場で研究プロジェクトの取り組みを発信し、それに対するフィードバックも得られた。このような具体的な成果発信を通じて、海外の研究者とのコンタクトも活発化し、次なるステップの見通しを得ることができた
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