研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究の目的は、世界経済に「時差」が存在することが、国際金融取引にいかなる影響を及ぼすかを考察することにある。「時差」という経済外的な要因の存在は、地域間で取引のタイミングに差異を生み出すが、本研究では、この差異が、世界経済の金融取引のあり方に大きな影響を与えうることを考察した。分析では、まず世界経済における媒介通貨の決定メカニズムを、「時差」という観点から理論的に解明した。次に、「時差」に起因する媒介通貨の流動性の差異が世界的な金融危機が発生した際に地域間に異なるインパクトを与えうることを、2008 年秋に発生したリーマンショック後の危機を分析対象として、実証的に検証した。
経済学