研究課題/領域番号 |
15K13104
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
横田 恵子 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (50316022)
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研究分担者 |
出口 真紀子 上智大学, 外国語学部, 准教授 (10593494)
大北 全俊 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70437325)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多言語社会調査 / 文化等価性 / 外国人の医療アクセス / バックトランスレーション |
研究実績の概要 |
本研究は、先行研究にあたる「健康リスクに向き合う人々の多様な生と〈ケアのコミュニティ〉の記述(平成26~28年度・基盤(C)、本研究代表者は研究分担者として参加)で行ったタガログ語によるパイロット調査結果(本年6月刊行学術誌に公表予定)に基づいて、実査内容や手続きを改良した上で行われる大規模多言語医療調査である。 初年度を終えるにあたり、当初より計画・予定していた5カ国語(タイ、スペイン、ポルトガル、ベトナム、インドネシア語)の調査票は、当該言語母語者の協力を滞りなく得ることが出来、バックトランスレーションも含めてすべて遅延なく完成した。(研究計画通り、2年次にあたる本年度に全言語において実査の見通しである。) 多文化・多言語にわたるこれらの調査票作成過程は、日本語の概念カテゴリーと当該言語との間で生じる文化・価値観の相違の検証素材となるとともに、調査における文化等価性の手続きの妥当性の検証材料ともなる。このデータは、研究分担者の出口真紀子准教授(上智大)によって、文化心理学の見地から分析と論考が進められている。 また、多文化コミュニティに実査に入ることで生じたさまざまな価値観の葛藤や齟齬については、「多文化社会調査の倫理問題」として、研究代表者の横田および研究分担者の大北全俊助教(東北大学)により、多文化社会論と医療倫理学の視点を重ね合わせた論考として、現在、分析・研究の途上である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定通り調査票を全言語完成させることが出来、調査員のリクルートとオリエンテーションの準備を始めることが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、研究2年目にして最終年度でもある。当初の計画通り、上半期に調査員オリエンテーションと実査をすすめ、下半期に分析と成果抽出、年度の終了時をめどに、多領域にわたる成果公表を行う所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
準備段階での研究会議の開催回数が、予定より少なかったため、研究者の旅費が予定より執行されなかったことが主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は全国での実査が計画されており、それに伴う調査員謝金(オリエンテーションを含む)、解析担当者(委託予定)への専門謝金支払い、調査員のマネジメントを担う研究者の交通費などが使用予定として考えられている。
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