外国籍住民が日本の医療サービスにアクセスする場合の障壁を調査・分析した。本調査の最大の特徴は、6つの言語(フィリピン語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語)の母語話者が調査票作成過程にかかわり、質問文が含む文化間の価値の違いに配慮したことと、さらに聴き取り調査も担当したことである。 調査結果が明らかにしたことは、過去に外国人医療問題とされた「社会保険がない」「病院に行けない」という点ではなく、「医療を利用する時に言葉の障壁があり、専門通訳などの公的な手助けがない」ことや、「日本人なら当たり前に知っている基本的な医療や社会保障情報を知る手だてがない」ことであった。
|